【ピアノアーティスト・坂元慎太郎さん】4枚目のアルバム完成。夢は「主役」ではなく「脇役」の音楽を
- エンタメ
2021年4月17日(土)
フリーで作曲活動を行う鹿児島在住の坂元慎太郎さん。
ちょっと変わった経歴を経て、昨年12月にピアノ曲だけを収録した4枚目のアルバム『白銀世界』をリリースした坂元さんに話を聴きました。
※顔出しNGとのことで、普段坂元さんが使用しているアイコンを使っております。
●出身は鹿児島なんですよね?
「そうです。薩摩川内市出身です。高校生まで鹿児島にいて、東京の大学に通っていました。」
●元々、音楽に興味があったんですか?
「そうでもなかったです。小さい頃はピアノといえば女の子の習い事っていうイメージも持っていましたし。音楽に触れるきっかけになったのは、中学2年生の頃にバンドを組んだことと、部活でオーケストラ部に入ったことですね。」
●バンドやオーケストラ部ではピアノを?
「いいえ、オーケストラ部ではコントラバスをやっていましたし、バンドではベースをしていました。いまだに、ピアノよりベースの方が上手かもしれないです(笑)。」
●ピアノに興味を持ったきっかけは?
「ピアノ自体は最初から好きだったんですが、演奏しようとまでは思っていなかったです。そもそもピアノに興味を持ったきっかけが、映画『戦場のメリークリスマス』のテーマ曲『メリー・クリスマス ミスターローレンス』と、あるゲームの音楽でした。それらはとても印象的で、作曲を始めるきっかけにもなった曲です。いつかこういう曲を作りたいとずっと思っていました。」
●ピアノを本格的に学び始めたのはいつ頃からなんですか?
「大学受験で芸大を受けようと思ったんですけど、ピアノの練習を始めたのはそのときからです。ただ、独学でピアノを始めたこの時の状況では現役合格はかなり難しいなと思っていたので、浪人してしっかり勉強しようとしたんですが、親が反対しまして…。それで、都内で少しでも音楽ができる場所を探した結果、早稲田大学に音楽科があって。当時は、文学部のなかに音楽科があったんですよね。なので、そこに通ってきちんと音楽を勉強することにしました。」
●じゃあ、大学に入ってから改めて本格的に音楽の勉強を始めたんですね。
「ただ、そこは文学部的に音楽を扱うところだったんです。音楽を作ることもするけど、論じる方がメインという感じです。なので、音楽を学ぶ・実力を付けるということでいうと、所属していた楽団の活動が大きかったですね。早稲田大学には「早稲田大学交響楽団」という楽団があって、日本での活動はもちろん、ワールドツアーで海外公演を行うこともありました。この楽団に所属している時も演奏していた楽器はコントラバスでした。」
●じゃあ、ピアノを本格的に始めたのは大学を卒業してから?
「実は、ピアノに絞ったのは2年前くらいからなんです。それまではオールラウンドで幅広くやっていました。全ジャンル対応という感じで、作曲活動をしていました。」
●作曲はいつ頃から始めたんですか?
「中学2年で音楽を始めた頃から、独学で少しずつ学んでいった感じですね。当時は今みたいに音楽作成ソフトがたくさんあったわけではなかったので、楽器と手書きの楽譜で曲を作っていました。それを、プレイステーションの「音楽ツクール」というソフトを使って実際に鳴らしてみたりして。あとはオーケストラ部の友達に演奏してもらったりしてました。」
●大学卒業後は地元のIT企業にお務めされてたんですね。
「はい。その頃は音楽で食べて行くことは諦めていました。オーケストラ部の先輩が作った会社なんですが、ネット環境についてはここでかなり詳しくなりましたね。この時、ニコニコ動画とかいろんな動画サイトを知って、こういうフィールドで音楽をやっている人がいるんだなと知りました。いろんな可能性があるなと。それから一念発起して、フリーランスで音楽活動を始める決心をしたんです。」
●フリーランスで活動し始めた頃にしていた副業がかなり好評だったとか…。
「そうなんです。副業で家庭教師をしていたのですが、そちらの方が圧倒的に繁盛していました(笑)。仕事時間が短いから、音楽活動をするのに丁度いいと思ったんですが…。それでも併行して、楽曲提供や個人からの依頼とか、少しずつ音楽活動も行っていました。」
●具体的にどんな依頼がきていたんですか?
「例えばバンドマンの方で、弾き語りで歌詞とメロディーがある状態で、それをバンド編成にアレンジしてくださいとか。ドラムパートやベースパートとか、それらは音楽ソフトで作成しています。いろんな依頼がくるので、やったことないジャンルの依頼もとりあえず受けて、それを短期間で習得して提供するということをやっていました。今では作れないジャンルはないですね。」
●そういった依頼も受けつつ、ピアノ曲だけのアルバムやEPもリリースしていたんですね。
「はい。ようやく目標としてきたものに向き合えるだけの環境や実力が整ってきたという感じです。」
●2020年12月には雪をテーマにしたアルバム『白銀世界』をリリースされていますね。今回「雪」をテーマにしたきっかけは?
「「雪」をピアノで表現することは、作曲を始めたときからずっとやりたかったことなんです。先程お話した坂本龍一さんの『メリー・クリスマス ミスターローレンス』と、あるゲームの音楽。このゲームが『いけにえと雪のセツナ』というRPG作品なんですが、この作品は、作中の音楽が全てピアノのみで構成されているという珍しい作品なんです。世界中が雪に覆われているという世界観をピアノで表現していることに感銘を受けました。色々な経験を経て、僕の原点となった「雪」がテーマの音楽を作れるだけの実力が伴ったというのも大きな理由の1つです。今回のアルバムは、聴けば前日のもやもやとか、頭の中に溜まったごちゃごちゃしたものがすっきりリセットできるようなイメージで作りました。」
●日常に寄り添ってくれるような音楽を目指しているわけですね。
「車の運転中とか読書中とか、「音楽を聴くぞ!」というモチベーションで聴いてもらわなくてもいいかなと思っています。日常の背景になってくれれば。」
●今後の目標は?
「ゆくゆくは映画とかゲームとか、映像作品の主役じゃなくて脇役の音楽がやりたいと思っています。僕が目指しているのは「背景の音楽」です。持論ですが、音楽って一番記憶と結びつきやすいものだなって思っていて。ストーリーとか映像とか、そういうものをより引き立たせることのできる音楽を作りたいです。」
●作曲の依頼は公式のWebサイトから連絡すればいいんですか?
「そうですね。Webサイトの方からでもいいですし、クラウドソーシングのサイト「ココナラ」からも依頼可能です。」
●最後にメッセージをお願いします!
「今、ピアノを中心とした楽曲を作成する方々を一同に集めたWebサイトを作っています。僕がやっているようなオリジナルのピアノ曲を作っている方をインターネットで検索しようとすると、クラシックかピアニストばかりが出てくるんですよね。だから、ピアノ曲を作っている方々を見つけてもらえる場所を作ろうと思っているんです。我こそはという方からの連絡もお待ちしています!」
『白銀世界』
・iTunesとAmazonで販売、Apple Music、Spotifyで配信中
公式Webサイト
http://atelier-xxxxxxxxx.com/
- 鹿児島市エリア:鹿児島市全域
- 住所:鹿児島市
DATA
最新の情報はご確認の上お出かけください。