映画『かぞくいろ』鹿児島ロケ中の有村架純&國村隼らキャスト&監督にインタビュー!
- エンタメ
地方のローカル鉄道を舞台に、人と人との繋がりや、自分の生き方を見つめ直す姿を温かく描く人気シリーズ映画『RAILWAYS』。『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』((2010、島根県・一畑電車)、『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(2011、富山県・富山地方鉄道)に続く新作の舞台は、鹿児島-熊本を結ぶ肥薩おれんじ鉄道!シリーズ初となる“女性運転士”の物語が描かれます。
今回は鹿児島ロケに訪れたキャスト&監督の合同会見の模様をレポート!
- あらすじ
25歳で修平と結婚した晶(有村架純)は、突然夫を失ったことを修平の父親の節夫(國村隼)に伝えるために、修平の連れ子の駿也(歸山竜成)とともに夫の故郷・鹿児島を訪れる。帰る場所を失った晶と俊也は節夫に頼み込み、鹿児島の家で一緒に暮らすことに。血のつながりはないものの、母親として生きることを決意した晶は、鉄道が好きな駿也のために、節夫が勤める肥薩おれんじ鉄道の運転士の試験を受けて…。
(2018年公開、映画『かぞくいろ』)
■ 有村架純(奥薗晶 役)
▲親族が鹿児島在住という有村さん。懐かしい鹿児島弁や食事を楽しんでいるそう
今月で25歳になるんですけど、この役のオファーを受けた時、自分も母親役を演じられる年齢になったんだな、演じられる役の幅が少し広がる年齢になったんだなと実感してとてもうれしく思いました。血縁のない親子関係というのはとても難しいのかなと思いながらも、役柄と同じ25歳ということで、晶の戸惑いと、私自信が感じる戸惑いはきっと一緒のような気がしたので、等身大そのままを演じさせてもらおうと思って撮影を進めています。
家族のあり方とか、子供にとって親とは何なのか、親になるってどういうことなのか、作品を通していろいろ考えたりします。
▲俊也役の歸山くんへ“母親”のまなざしを向ける有村さん
晶の葛藤や奮闘を見守ってもらいたいし、俊也が毎日毎瞬全力で向かってきてくれているので、晶と俊也の関係性というのも楽しみにしてもらえたらいいなと思います。
■ 國村隼(奥薗節夫 役)
▲「黒ぢょか」で呑む芋焼酎がお気に入りと話す國村さん
家族の有り様、形っていうのはそれぞれ違っていて、多分家族って血のつながりだけではないんですね。家族を構成する人間たちが役割意識を持って「家族になっていく」とそういうものじゃないかと思うんですけど、そのことをこの映画は描いているんじゃないかという気持ちがしています。
今回は「おじいちゃん」役。初めて会う息子の奥さんが、いきなり息子が入った骨壺を持って、孫を連れてやってくるという衝撃的なオープニングでこの映画は幕をあけるわけです。息子の死も知らなかった父親というところから、晶たちがきて、実の息子とは作れなかった「家庭」「家族」というものを節夫自身が悩み、模索しながら作って行くというそんな風に映画が出来上がっていけば、見ているお客さんにも何かを伝えられるんじゃないかと、そんな思いでやっていますね。
▲フォトセッションの際にくまモンから花束贈呈を受ける國村さん。バグされてうれしそうでした
RAILWAYSということで、映画は鉄道とも関わってくるのですが、肥薩おれんじ鉄道は、単車両で気動車というところに、人に通じるような温かみを感じています。海岸線の景色や山景、そして人が住む町並みと、車窓から見えるバラエティに富む景色も魅力ですね。映画では風光明媚なおれんじ鉄道の景色も皆さんに観ていただくことができると思いますよ。完成の暁には1人でも多くのみなさんに足を運んでいただきたいです。
▲地元の人に早く映画を届けたいと話す鹿児島出身の桜庭さん
私が演じる「ゆり」は、俊也くんの担任の先生です。家庭がある相手との間に子供を授かるという難しい役で、初めてのことだらけですが、ゆり先生と一緒に私も成長できればと思って撮影に臨んでいます。架純ちゃんと演じるシーンでは、お互いが「晶」と「ゆり」に一つでも勇気を与えられるような、励まし合いながらというものになっているので、毎シーンいい緊張感を持って演じています。実際にも架純ちゃんと同じ年齢なので、現場ではすごく話し合いながら25歳同士頑張ってます。
▲一度は授かった子どもを堕ろすことも考えるという難しい役どころ。撮影を通して家族の強さを改めて感じたそう
鹿児島出身なので、肥薩おれんじ鉄道に乗ったこともあります。転校した友だちに会うために、1人で乗ったことがあったんですけど、緊張する私に途中から乗ってきたおばあちゃんが話しかけてくれたっていう温かい思い出がありますね。そういった意味でも肥薩おれんじ鉄道が主役となるこの映画に参加できることがすごくうれしいです。
▲おじいちゃん役の國村さんの横でニコニコ笑顔の歸山くん
撮影が始まる前からリハーサルをしたり、電車のことをいっぱい調べたり、役作りを一生懸命やってきました。撮影がはじまって、その日のカットが全部終わると「終わったー!やったー!」って思うけど、時間がたつと映画の撮影が終わっちゃうと思って寂しくて、最初のシーンに戻りたいって思ってます。
撮影がはじまってもうすぐ1ヵ月ですけど、晶ちゃんとは、初めてのリハーサルのときすごく緊張して、監督に「手と足が一緒に動いてるぞ」と言われるくらいでした。今は待ち時間とかにゲームの話や食べ物の話などをして仲良くしてもらってます。おじいちゃんは、お会いする前はすごく怖い方だと思っていたんですけど、お会いしてみて、スタッフの方々や僕と話す時、すごく優しい笑顔で話してくれるので、楽しく過ごしてます。
▲映画が終わるのが寂しいのに、スタッフさんに「まだまだ終わらないよ」といわれ、否定されたようで悲しいと話す歸山くん。キャストも監督も会場もほっこりする瞬間でした
▲撮影は快調。手応えのあるシーンがたくさん撮れていますと話す吉田監督
場所に合わせてシナリオをどんどん書き変えていったその効果が出ています。東京ではありえない空の広さとか、流れる雲の早さに合わせて刻一刻と変わる光の演出なんかも面白く味方につけながら、この場所、この景色でしかできない物語にしたいと思っています。鹿児島と熊本のみなさんは、自分たちが住んでいる町の魅力を再発見していただけるような、そういった風景が映画には収められています。
地方で映画を撮影しているということは、そこで生きている人たちの場所をお借りしているということ。多大なるご協力の元でなければ決していい作品にはならないと思っています。エキストラの方々のご協力、婦人会の方々の炊き出し、感謝しております。みなさんに愛される映画になるように、ワンカットも手を抜くことなく、スタッフ・俳優陣と皆で丁寧に丁寧にものづくりして、鹿児島・熊本のみなさまに愛してもらえる映画になるように引き続き頑張って行きます!
インタビューの後は、肥薩おれんじ鉄道で人気の食堂車「おれんじ食堂」前でフォトセッション!
鹿児島県の三反園知事やぐりぶー、くまモンも登場しての楽しい時間となりました。
映画は2月に鹿児島でクランプアップ予定、公開が待ちきれません♪
<text/あんこ33 男前・國村さんを目の前にして、シャッターを切る指を止められませんでした>
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